1. 事案の概要(事実経過・請求内容)
本件は、米国特許商標庁(USPTO)の特許審判部(PTAB)における当事者系レビュー(IPR2024-01157およびIPR2025-00156)の決定・審決等を不服として、控訴人(Appellant)であるInari Medical, Inc.が被控訴人(Appellee)であるImperative Care, Inc.を相手取り、米国連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)に提起した控訴事件(事件番号:2026-1552, 26-1922)である。
控訴係属中、当事者間において訴訟終了に関する合意が成立したことを受け、手続の終了を求める命令(Order)が発せられた。
2. 判決の主文
当事者間の合意に基づき、以下のとおり命じる。
- (1) 米国連邦控訴手続規則(Fed. R. App. P.)第42条(b)に基づき、本件控訴手続を却下・終了(DISMISSED)する。
- (2) 訴訟費用は各自の負担とする(Each side shall bear their own costs)。
- (本命令は2026年9月4日付でマンデート[Mandate: 終局判決言渡書・裁判所命令執行指示]として発付される。)
3. 主な争点
- 争点1: 当事者合意に基づく控訴取下げ(Fed. R. App. P. 42(b))の要件充足性
(実体法上の特許性・有効性に関する争点についての審理・判断は行われず、手続法上の任意的取下げ要件が争点となる)
4. 裁判所の判断ロジック(判示の要旨)
裁判所は、実体法上の論点(特許性や審決の適法性等)についての規範定立および当てはめを行うことなく、以下の手続的判断のみにより決定を下した。
- 当事者双方が本件手続の終了について合意に達した("The parties having so agreed")ことを確認した。
- これを受け、裁判所は連邦控訴手続規則第42条(b)を適用し、本件控訴手続を却下(Dismiss)するとともに、費用の各自負担を命じる終局命令(Mandate)を発した。
5. 実務上・判例上の法的なポイント
本件は先例としての価値を有しない命令(NOTE: This order is nonprecedential)であり、実体的な判例法理を形成するものではないが、法務実務上以下の点を確認できる。
- Fed. R. App. P. 42(b)に基づく合意取下げの実務: CAFC係属中の事件であっても、和解等の当事者合意が成立した場合には、同規則42条(b)に則り共同申立てを行うことで、簡易かつ迅速に控訴手続を終了させることが可能である。
- 費用負担およびマンデートの即時発付: 合意命令において費用の各自負担(Each side shall bear their own costs)が明示され、命令日と同日付でマンデートが即時発付されていることから、裁判所での手続が直ちに完全終結し、下級審・特許庁へ手続管轄が戻る実務運用が確認できる。
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