【CAFC / 2026年07月31日】No. 2025-1794 - 控訴人の自主的申立てに基づく控訴棄却決定(FRAP 42(b))

1. 事案の概要(事実経過・請求内容)

米国特許商標庁(USPTO)の特許審判審決委員会(PTAB)における当事者系レビュー(IPR2023-01183およびIPR2024-00597)の決定を不服として、控訴人(特許権者)RJ Technology LLCが、被控訴人Apple Inc.およびSamsung Electronics Co., Ltd.を相手方とし、連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)に不服申立て(控訴)を提起した事案である。

手続の途上において、控訴人RJ Technology LLCは「本件控訴が無効(moot)となったことを理由とする反対のない控訴棄却申立て(unopposed motion to dismiss as moot)」を提出した。

2. 判決の主文

1. 申立てを認め、本件控訴を棄却する。

2. 訴訟費用は各自の負担とする。

3. 主な争点

  • 争点1: 控訴人から提出された「無効を理由とする控訴棄却申立て」の法的性質および認容の可否
  • 争点2: 控訴棄却に伴う訴訟費用(Costs)の負担割合

4. 裁判所の判断ロジック(判示の要旨)

裁判所は、控訴人RJ Technology LLCが提出した「無効を理由とする控訴棄却の異議なし申立て」について、連邦控訴審訴訟規則(Federal Rules of Appellate Procedure: FRAP)第42条(b)に基づく「自主的取下げ(voluntary dismissal)」の申立てとして解釈(construe)した。

そのうえで、申立てに対して被控訴人(AppleおよびSamsung)からの反対がないこと(unopposed)、ならびに各当事者がそれぞれの訴訟費用を自己負担する(with each party to bear its own costs)旨が明記されていることを確認し、申立てを認めて控訴を棄却するとともに、費用負担に関しても申立て通りの条件で確定させる旨を命じた。

5. 実務上・判例上の法的なポイント

1. FRAP Rule 42(b) に基づく取下げ実務の再確認: 当事者間での和解やその他の事由により不服申立ての維持が不要となった場合、形式的な申立ての名称にかかわらず、裁判所は実質的に FRAP 42(b)(控訴人の自主的取消し・合意による取下げ)として処理し、迅速に訴訟を終了させる法務実務が示されている。

2. 先例的価値(Nonprecedential Status): 本命令には「NOTE: This order is nonprecedential.」との注記があり、先例的価値を有しない決定(Procedural Order)である。当事者間の合意に基づく手続終了であるため、IPR審判決定の実体的な法的判断や特許権の有効性に関する法的見解は一切判示されていない点に留意を要する。

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